空港内のコーヒーショップでパートしていた時の話です。
結構各航空会社のCAさんたちが、仕事が終わると立ち寄ってくれたりしました。
彼女たちはほとんど直帰してたんですが、時に私服に着替えてコーヒー1杯、その後帰宅ということもあったんですね。
そんな感じで仲良くなったCAさんが、ちょっと困ったけどまあ何とかなったと言う話をしてくれました。
ヘアトニックの匂いに酔ってしまったお客様
ある便で、本当に満席だったそうです。
ビジネスも満席で、今日の飛行機は重いねなどとみんなで笑っていたそうです。
最初の食事が終わったので、席を倒して寝る人とか映画見る人など、客席内も薄暗くなった頃、CAコールが入ったそうです。
席に行ってみると女性のお客さんが、気分が悪くてと言うことでした。
吐き気などはないようでしたが、熱は微熱がありそうで、狭いエコノミーの座席はつらそうでした。
どうも隣席のお客さんの、ヘアトニックの匂いに酔ってしまったようです。
匂いに敏感な人だと、時にこういうこともあるそうですね。
でも満席状態の飛行機内部、ビジネスクラスにも空きがありません。
チーフとも相談したのですが、これ以上我慢していたらきっと彼女、吐き気もでてくるだろうということで、窮余の策を打ち出すことにしました。
楽な姿勢にするために床を利用!?
楽な姿勢と言えば、もちろん寝ることです。しかし場所がありません。
なので、ちょっと当人には申し訳ないけど、床を利用することにしたそうです。
これ、日系の航空会社なら、まずやらないでしょうね。
でも彼女は海外の、ちょっとざっくばらん系の航空会社に務めていたんです。
実際にどうしたかと言えば…
最後列の中央の座席と壁の間、少々のゆとりがあったんだそうです。
なのでその席に座っている人たちがリクライニングしても、床には何とか寝るだけのスペースが確保できたとのこと。
そのため、その床にCAが利用する毛布を敷き詰めて、当人にもそれで構わないかと了承をとって、寝てもらったそうです。
まあ実際、床の寝心地はよくなかったでしょうが、少なくとも身体は休めるし、匂いからもとりあえず逃げられたので、そのお客さんの気分は何とかキープできたと言います。
結局最後までそのお客さん、そこに寝たままで飛行してそれなりに休めたと言う事でした。
実は後部のトイレに近いので、トイレに行く人がびっくりしたり、その歩きでホコリが立ったりするのが心配だったそうですが、匂いよりマシと当人が言ったそうです。
長距離の飛行では流石にできなかったけど、近距離というかちょっと短めの中距離飛行だったので、こうした事もできたと言います。
まあ寝ていた女性も大物、それを提唱したチーフも大物と、そのCAさんが笑っていたのは当然かも知れません。