飛行機

CAの仕事はハードな一方で、刺激が多くやりがいもたくさんあります。
新人時代は、失敗を恐れることで結果的にミスをおかすなど、反省やとまどいの連続!

そんな中で、今でも鮮明に覚えている思い出があります。
今回は、その新人の頃のエピソードを紹介させていただきます。

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フライトメンバーが初めての人ばかりでドキドキ

ラインアウト後、毎日初めて出くわすことばかりで戸惑いながらフライトしていた私。
少しずつ相性の悪い先輩とも上手く付き合えるようにはなってきていましたが、失敗を恐れながらの業務だと焦って空回りしてしまい、結果ミスも多くなります。

そうして気分が落ち込むとまた失敗に繋がるという悪循環です。

そんなある日、その日のフライトメンバーを確認すると、ほとんどが今までご一緒したことのない方でした。

1泊2日のステイを伴うフライトだったため、新人にとって正直メンバーは気になるところ。
どんなクルーメンバーだろうと内心ドキドキしながらご挨拶に伺うと、にこやかで感じの良い方ばかり。少しホッとしてブリーフィングを終え、航空機へ向かいました。

和やかな雰囲気だったため自然に笑顔に…

ボーディングが始まっても今までになく和やか。
航行中は、半年ほど先輩のクルーと一緒にカートにつきました。

以前焦り過ぎたあまりにジュースをお客様にこぼしてしまうという大きなミスをしたことのある私ですが、その日はあまりに和やかなクルーメンバーの雰囲気に自然と笑顔になることが出来ました。
気分が落ち着くことで自信もつき、本当の笑顔で積極的にお客様に話し掛けられました。

お客様と交わしたのは目的地鹿児島に関しての何気ない会話ではありましたが、クルーが楽しい気分で話しているとお客様にも当然伝わりますので、とてもご満足いただけた様子でした。

降機の際には「あなたと話せてよかった」と言っていただけ、初めてそのようなお言葉をいただけた私は、新人なりに一生懸命接客してよかったと涙が出そうになりました。
明るいキャビンの雰囲気がクルー同士の連携にも影響し、ひいてはお客様への最高のサービスへとつながります。そのことを強く感じる出来事でした。

なんと!私が部長表彰に選ばれた!

翌日のフライトも心からの笑顔で臨むことが出来、このフライトがずっと続けば良いのに…とすら思いました。

後日、デブリーフィングの際マネージャーから部長表彰の発表がありました。チーフや先輩の表彰される姿はよく見ていたので、今回は誰かな、と思っていたところ、なんと私が選ばれたのです。
先日の和やかなフライトでお話しした方から本社の方へ、お褒めのコメントをいただけたためでした。

どんな雰囲気、どんなクルーメンバーでも同じ質のパフォーマンスをしなければならないのはプロとして当たり前のことです。

ですが、やはりクルー同士が思いやり、お互いのためにも笑顔を絶やさず、明るいキャビン作りを出来たならそのパワーは無敵で、お客様にも必ず伝わるのです。

素敵なクルーと出会えた、思い出深いフライト。
自分自身に後輩が出来た時には、先輩方がしてくださったように、頭ごなしに叱ることはせず明るく笑顔で接することを心掛けるようになりました。

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