空港内部のコーヒーショップで働いていた時には、普通のお客様だけでなくCAの方とかパイロットの方たちにも会う機会がそこそこありました。
そんな時にちょっとした飛行機内でのアクシデントやトラブルの話、伺ったものです。
結構困ったお客様というのはいるそうで、それが本当にめちゃくちゃ迷惑でない場合のほうが対処に困る、ということでした。
そんな、ちょっとだけ困っちゃうお客様の話を、仲良くなったCAの方に伺ったことがあります。
長距離のフライトでは機内でも運動!
長距離のフライトの場合、エコノミークラス症候群などの問題がクローズアップされて、適度に歩いたりすることが勧められるようになりました。
昔だとできるだけ席に座ってシートベルトして、歩きまわったりはしないというのがお約束でしたが、それは健康に害があるということになったわけです。
なので大きく揺れたりしなければ、特に歩いているお客様に注意などしない、揺れが大きくなった場合のみ席に帰って欲しいと声をかけているそうです。
この飛行機内での運動、席に座ったまま脚を動かしたり腕を伸ばしたりという人もいますが、通路を歩くというのが一番運動になります。
私も飛行機での移動の時は、出来るだけ歩くことにしています。
脚がむくみやすいので、席に座ったままだと到着した時に悲惨なことになるんです。
ストレッチを始めたちょっと困ったお客様
しかし歩くだけでは気の済まないお客様もいるんだと、そのCAさんは苦笑交じりに言ったものです。
ストレッチを始めてしまうお客様が、決して少なくないんだそうです。
もちろん場所が早々あるわけではないので、そうした人達が使うのはトイレ前とかギャレーのあたりだそうです。
特に食事の前とかでない限り、まあ他のお客様ともめないだろうかとの心配はあっても、そのままにしておくのだそうです。
しかしあるお客様の場合、ストレッチだけでは足りなかったようで、脚まで上げていたそうんだんです。
非常口のところの段になった場所に、脚を上げてそこで身体を曲げて、加えて立っている方の脚はつま先立ち、素人ではないのは明らかでした。
他の人が来ればさっとどくし、迷惑のかからないようにと心配りはしているので、でもちょっと危ないと思うのは当たり前のことですね。
話を聞いてるだけでも、片足で立っているんですから、ちょっと揺れたら転ぶかもと思ってしまいました。
いくら何かのプロでも、やはり危ないですよね。
話のわかるお客様への注意は難しい
でもこの場合、どうしたらいいのかCA一同ちょっと悩んでしまったそうです。
どう声をかければいいのか、困ってしまったんですね。
結局チーフが、あれしかないなとつぶやいてそのお客様のところに行ったそうです。
「申し訳ありません、何かあって非常口のハンドルに脚がかかって回ったりすると、大変なことになりますので。出来れば…」
後はちょっと言葉を濁したそうです。
幸いお客様はそこでうなずいてくれたそうで、事なきを得たそうです。
「私の脚ぐらいで開く非常口とは思えないけど、でももしかしたらということもありますものね」
こういう話のわかるお客様への注意のほうが、難しいと言う事でした。