CAが上空で安心してお仕事できるのも、航空業界の他の職種のお仕事との連携あってこそです。
数多くある職種の中で、CAに最も近い職種はGSだと思う方も多いでしょう。
今回は、2社でCAを経験してきた筆者が、CA目線でCAとGSのお仕事を紹介していきます。
GSのお仕事
CA志望の方なら必ずご存知でしょうが、グランドスタッフのこと。
地上さん・グランドさん・KDさん・KIさん等々の呼び方でキャビンクルーから呼ばれています。(会社によって異なるかと思いますが)
機内に搭乗されるまでのお客様の接客、CAやパイロットへの情報の伝達、搭載される貨物の調整、ラウンジでの接客等業務は多岐に渡ります。
テレビでよく見かけますが、お客様の呼び出し(ペイジング)をしながら走って探しに行くというCAに負けず劣らず激務なイメージがあるかと思いますが、実際現場でもその姿はよく見ます。
それと私たちクルーが一番よく接する機会があるのがゲートと機側です。
これも会社によりますが、ゲートには搭乗の際CAも一名立つことになっている会社があり、私も実際何度もその機会を得ました。
しかし、我々はご挨拶をするのみですので、地上にいるときのCAはなんと無力なのだろうと切なくなるほどでした。
一方でGSさんたちはチームワーク良くてきぱきボーディングおよび出発の手続きを進めており、頭が上がらない思いで見つめていました。
ちなみにGSさんとCAの仲は悪い会社と良い会社があります。
何故仲が悪くなるかと言うと、GSさんは定時性を守ることに重きを置いており、CAは機内の準備を万全にすることを重要視しているパターンが多いからです。
もちろんどちらも大切なのはお互いわかってはいますが、それぞれがプロでそれぞれの想いがあるので譲れないといった感じなのです。
私は仲が良い・悪いどちらも経験しましたが、連携や業務も円滑に運びますし、良いに越したことはないと思います。
飲み会も頻繁にご一緒して、職場は違えど思いやストレスは同じなのだと気づきました。
それに地上にも味方が待ってくれていると思うとなかなか心強いものです。
CAのお仕事
キャビンクルーの業務は大きく分けて2つ。
志望されている方ならよくご存知かと思いますが、機内での接客と保安業務です。
それに加え、機内販売やLCCでは機内清掃、時々地上のお仕事をお手伝いすることもあります。
キオスクの前に立ってチェックインされるお客様をサポートしたり、子ども向けの空港施設のご案内係まで、案外CAがやるべきことは多かったりします。
役職については私の経験した2社を比較してお話しします。
<1社目(大手国内系)>
頂点に部長、その下に各室長、マネージャー、チーフ、その下のポジションが4つほど存在します。
最近では努力次第で20代でもチーフの次のポジションになることが叶うそうです。
他にも段階的にたくさんのポジションが用意されており、次の目標を定めやすいので、長く安定して続けたい方に向いていると言えます。
<2社目(外資系LCC)>
頂点に部長、その下にベースマネージャー、マネージャー、チーフ、その下にポジションは存在しません。
他社と比べて圧倒的にチーフに昇進しやすいことと、一般CAにポジションがないので上下関係はありつつもCA同士がフラットな関係でいやすいというメリットがあります。
ただ、マネージャー以上のポジションは他社から引き抜いてくることもあるので、努力で昇進できるわけではありません。
早くチーフになってある程度責任のある立場を経験したい、お給料を同世代より多くもらいたいという方に向いていると言えます。
まとめ
上記私の経験からご説明しましたが、他社大手国内系では20代でも国際線の大型機でチーフを任されることがあると聞きましたので、本当に会社によって異なるようです。
どんな業界でもそうですが、全てのお仕事が繋がっています。
整備さんが集中して航空機の確認をしてくれるからこそ、GSさんが抜かりなく準備して送り出してくれるからこそ、ランプさんが汗を流しながら飛行機を動かしてくれるからこそ、パイロットが臨機応変に操縦してくれるからこそ、CAも上空で安心して仕事が出来るのです。
一見関わっていないように見えるお仕事、たとえばフライト予約のコールセンターや保安検査場、それぞれのベースで待ってくれているマネージャーも皆が関わって1便1便安全に運行されているのだということを常に忘れずにいたいですね。