最近飛行機に乗る機会はありましたか?
冬は気圧の変動が激しく急な揺れが起きることや、地域によっては雪も降りますので引き返すなどのイレギュラーも起きやすいですね。
イレギュラー…「予想外の事態」とでも訳しましょうか。
この単語を好きな航空関係者はいないと思います。
いるとしたら相当なドMですね。
もしくは逆境に立ち向かうことに喜びを感じる強い精神力の持ち主…
ちなみに私はイレギュラーとか本当に勘弁してくれって感じです。
目の高さに立ってこんなふうにお話をするという例
さて、前回飛行機が怖くて降りたい、とお客様に言われたらどうする?という質問で、まずは初めに「共感する」ことが大切と言いました。
「飛行機が浮くなんて信じられないです。怖いです!今すぐ降りたいです!」
と出発前にお客様から言われたらどうしましょう?
私ならその方の目の高さに立ってお話をさせていただきます。
お客様、ご搭乗ありがとうございます。
わたくしはこのエリアを担当する○○と申します。
お話をお聞きしますね。
空の上は非日常な空間ですし、ご不安を感じますよね。
はい、高いところが苦手だし、揺れると落ちるような気がするんです。
私もこの仕事に就くまでは、乗客として乗っていると、揺れはヒヤリとして苦手でした。怖いというお気持ちもすごくわかります。
あと狭い空間も苦手なんです。
機内は限られたスペースですものね。
お客様、もしよろしければ本日空席がございますので、全員の搭乗が済みましたらお隣がいらっしゃらない座席にご案内いたしますね。
ありがとうございます…
また、お客さまがご心配の揺れですが、本日は天候が良いので大きな揺れはないことと機長から聞いております。
もし突然の揺れが起きましても本日の機長は弊社の中でもベテランのパイロットなんで腕は確かですよ!
そうなんですね…
また出発前は整備もしっかり行っていました。
本日は急なご予定かなにかですか?
はい、どうしても行かねばならない用事ができて新幹線だと時間がかかるので苦手な飛行機を選んだんです。
そうでしたか。
弊社をお選びくださり改めて本当にありがとうございます。
本日は離陸後10分でシートベルトサインが消え乗務員も立つことが出来ますので何かありましたらご遠慮なくお呼びくださいね。
私は○○様から見て左側の席に座っておりますので、どうぞご安心くださいませ。
こんな会話を繰り広げますね。
お客様を安心させるポイント
別にこう言ってください!これ言ったら正解!というわけではないですよ。
私が考えるポイントは下記の通りです。
- 不安を打ち明けてくださったこと、そのような中利用してくださったことへの感謝
- 怖いですよね、と共感
(同じようにおっしゃる方も多いです。とあなた変じゃないですよ、という意味合いを込めた共感もありかと) - 情報を伝える
(揺れのこと、ベルトサインの点灯・消灯の時間について。機長や整備についてなど) - 自分にできることを伝える
(いつでも呼んだら来てもらえる!と思わせてしまってベルトサインが点灯しておる間にコールボタン連打されても行けませんので。乗務員が立ってもいい時間だったら助けに行けますよ、頼ってね、と示す)
出来れば乗務員の目に届く座席に座っていただくほうが良いかと思いますし、離陸後の上昇中や着陸など揺れや衝撃を感じるタイミングで目くばせをし、「大丈夫ですよ」と表情・アイコンタクトで伝えられると望ましいです。
実際に予想外の揺れや乱気流に巻き込まれ、シートベルトは締めて座っているのに右に左に揺れまくる、というフライトは何回も経験しています。
そんなとき、機内は「うわー!」「ギャー!」という声があがりザワザワします。
内心(めっちゃ揺れてますけど~)って思いながらもそんな時こそ乗務員は平常心を保った微笑を浮かべますよ。「はい、大丈夫ですよ。みんな安心してね~」という感じで。
乗客の皆さんはCAの顔をすがるような気持ちで見てきますからね。
皆さんも共感力を日ごろから人との会話で磨き、時に女優になる演技力、顔芸も意識してくださいね!
顔芸は違うか…