今までに出会った事のない気前の良い上司

私が航空会社に入社して、最初に配属されたグランドスタッフの部署で、今までに出会ったことのないほど、気前の良い上司がいました。

私の配属されたグランドスタッフは、総勢200名を超える部隊で、その200名を3班に分けて勤務していました。

気前の良い上司は、最初は私とは別の班で、顔は見たことがありましたが、話したことがなく、噂だけ聞いていました。その噂は、その上司と休憩が一緒になれば必ずご飯をおごってくれる事と、上司から用事を頼まれた時は必ずお駄賃を頂ける事なのです。

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入社して2年目に同じ班に!

私はその現場を見たことがありませんでしたので、半信半疑でしたが、同期の皆が口を揃えて今日もご飯をおごって貰ったと報告するのです。

正直羨ましい限りでした。
そして、同じ班にならない限り私には無縁の事だと思っていました。

しかし、入社して2年目に班替えがあり、何とその上司と同じ班になったのです。当時まだ若い私には、給料が少なくおごって貰えることに凄く期待していました。

ある日、ようやく休憩が一緒になる時がやってきました。
ラッキーと心の中で何度もつぶやき、声を掛けてもらえる事を楽しみに待っていました。

思いもよらぬお駄賃にホクホク

しかし、その上司は、急ぎ足で何処かへ行ってしまったのです。
えっ。何で?皆の話と違う。と、がっがりした顔をしながら一人で社員食堂へ行きました。

今思えば、がっかりするなんて失礼な話ですが、当時は他力本願というか、甘っちょろい若者でした。

一人で食事から戻り、業務へ入ると、その上司が私に、この仕事やってくれないかなと、頼み事をされたのです。気分の乗らない私でしたが、渋々やることに。

すると、忘れていたお駄賃が目の前に差し出されたのです。
思いもよらないお駄賃に、思わず笑みがこぼれてしまいました。

儲かっているから気前が良いらしい

それ以降、休憩が一緒になる時は、本当に毎回おごってもらえるので、驚きの連続でした。

それにしてもこれだけ気前が良いと、何だか怖いので、どうしてこんなに皆におごったりするのか聞いてみたところ、「儲かっている」の一言でした。

噂では、自社株を所持しており、給料には全く手をつけていないとか。
本当に気前の良いと言うか、良すぎる上司でした。

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