航空業界の制服といえばスカーフを首に巻いた姿をイメージする方が多いと思います。
グランドスタッフの制服にもスカーフが貸与され各自が好きな巻き方をするのですが、そこにはいろいろなドラマがありました。
新人はスカーフは前でリボン結びのみ!
入社してしばらくは自前のスーツを着て座学を受けます。
そして一通りの知識を身につけた頃に教官から制服が渡されます。
初めて制服を手にしたときの喜びは格別でした。
憧れの制服を着て同期と写真を撮ったり、教官からスカーフの巻き方を教えてもらったりしてみんなテンションも高く喜んでいると教官が「新人のうちはスカーフは前でリボン結びだけね」と言ったのです。
私たちは意味がわからず???だったのですが、教官からさらにこう言いました。
「名札の横に研修生のシールが貼ってあるので、それが取れるまでは新人はスカーフは前でリボン結びのみ!シールが取れたら首に巻いたり、好きに結んでいいけれど最初のうちは簡単なリボン結びにして仕事に集中しなさい。リボン結びは新人の証だから周りの先輩達からもすぐ分かるから」
まさかそんな掟があるとはかなり驚きました!
次の日から制服を着ての座学になるので朝はスーツから制服に着替えなければいけません。教官が簡単と言っていたリボン結びですが、やってみると実はかなり難しいんです。
結んだあとのリボンの長さが左右で違うなんてのはよくある話で、左右の長さに気を取られるとうっかりリボンが縦結びになったりと新人にはなかなか苦戦する日々が続きました。
スカーフ解禁の日は一大イベント!
少しずつ仕事にもリボン結びにも慣れてきた頃、3ヶ月の新人期間が終わりついにスカーフ解禁の日がやってきました。
リボン結びだろうが、首に巻いていようがお客様から見たらスタッフにかわりないのですが私達にとっては一大イベントです。
リボン結びから首に巻く=新人ではない!もう失敗できない!!
そんな緊張感でいっぱいでした。
スカーフを首に巻いていると先輩から「今日から新人じゃないんだね」と言われさらに緊張したのを覚えています。
その後は各自で好きな巻き方を研究し、その日の気分によって巻き方を変えていきます。後に入って来た後輩達がリボン結びをしていると懐かしい気持ちになり初心を思い出すきっかけにもなりました。
スカーフにも色々なドラマがある
スカーフは2種類あったのですが、仕事が上手くいった日に使った柄のスカーフは縁起を担いで、ここぞという時にまた使ったりしていました。
上手く巻けるとそれだけで気分が前向きになったりもします。
みんなお気に入りの巻き方があるようで、いつも首に巻いていてそれ以外の結び方を見たことがない先輩や、2種類あるうちの1種類しか使わない人もいました。
ちなみにスカーフや制服は社内にあるクリーニング屋で無料でクリーニング出来ました。
たかがスカーフですが色々なドラマがあるんです。
次に空港にいったり飛行機に乗ることがあればCAやGHの制服やスカーフにも注目して見てみてください。何か面白い発見があるかもしれませんよ。