新入社員で入社してから、ご飯をおごって頂ける沢山の先輩がいます。
沢山いるというより、後輩にはご飯ぐらいおごってあげようという昔からの風潮が社内でまん延しており、お昼ご飯は先輩から誘われておごって頂ける事が常でした。
先輩なりのご褒美に感謝
おごって頂ける別の理由は、若いうちは給料が少なく、それでいて仕事中にこき使われる事を皆が知っている為です。先輩なりのご褒美なのです。
私はいつもお昼が楽しみで仕方がありませんでした。
おごって頂ける時は、空港内のレストランに連れて行ってもらい、何でも好きな物を選んでと言われる為、ステーキやハンバーグ等若者に人気のあるメニューばかりをおごってもらいました。
安上がりにすますケチな先輩
いつもはレストランでおごってもらえるのですが、一人の先輩だけは、私を社員食堂へ連れて行きます。おごって頂けるだけでも有難いのですが、社員食堂はどんなに食べても600円程度。社員価格の為安いメニューばかりなのです。
安上がりな先輩の対応に、ケチだなといつも思っていました。
特に先輩はお金が無い訳ではなく、ただのケチなのです。
ケチでは有名だったので驚きはしませんでしたが、社員食堂で好きなもの何でも食べてと言われてもテンションは上がりません。そして、朝食で食べたおかずが、お昼でもショーケースに並んでいると、またこのおかずかとがっかりしてしまいます。
送別会も社員食堂!テンションが下がったが…
そんなある日、ケチな先輩が主導となって企画された部署異動者の些細な送別会が開催されました。その場所が何と社員食堂。
皆が、「えっ」と思ったのは当然の事。
こじんまりとした送別会であったものの、社員食堂はないでしょと思いながら、始まりからテンションが下がってしまいました。
社員食堂で盛り上がる訳がないのです。
しかし、その考えは間違いでした。
出てきた料理が豪華だったのです。
お寿司にスペアリブにオードブルにカニ等、次から次へと豪華な食事が並び、そして凄く美味しかったのです。社員食堂をバカにしていた自分が恥ずかしい!!
この時ばかりは、先輩さすが!!と、心の中で褒めちぎりました。
それ以降、社員食堂のイメージが良くなり、好きになりました。
そして、お昼は社員食堂で食べることが多くなりました。