グランドスタッフの教育担当を行っていたころ、初めて会った時から「ぼーっとしてそうな子だな」と思った子がいました。
実際にそのAくんはかなりの問題児でした。
メモを取らない!覚えない!成長が見られないAくん
グランドスタッフはとにかく覚えるべき情報がと多く、メモを取らないと一日あったことや教えてもらったことは基本覚えられません。
また様々な国からのお客様への対応や、行き先によってのチェックイン業務の違いや、搭乗口での業務など毎日毎日違うことが必ず起こるのがグランドスタッフの特徴です。
しかし、その子はメモを取らず、「大丈夫?今の覚えられた?」と聞いても「大丈夫です。完璧に理解できました。」と言うんです。
いつも不安になっていたのですが、翌日再び同じ業務の研修を行うと全くできておらず、「昨日教えたあの手順だよ。覚えてる?」と聞くと「そんなこと教えてもらってません。」と一点張り。
このようなことが毎日ありました。
教えている私たちもなかなか手ごたえがなく、やる気がかなりダウンしていました。
後輩の成長を楽しみに教育を行っているのに、反抗されたり、成長が見られない毎日でその子の教育に入る先輩方はいつもげんなりしていました。
信用ガタ落ち…欠勤のはずが彼女とデート!?
またある日には、急遽朝そのAくんから欠勤の連絡が入り、みんなで体調の心配をしていましたが、なんとその欠勤の電話をした直後に空港で彼女とデートをしているところが他の先輩に見つかりました。
しかも1人ではなく何人もの先輩がその現場を目撃していて、すっかりその子の信用なガタ落ちしました。
しかもその日はその子があまりにも同期よりも遅れを取っていたので、優しい先輩がその子のために自分の担当業務を犠牲にし、その子のために自由に質問ができる時間を設けていました。
あまりにも酷すぎる態度から、マネージャーから直接本人に伝えてもらいましたが、空港にはいませんでしたと、たくさんの先輩が目にしていたにも関わらず「家にいました」と言い張っていました。
後輩や同期、先輩やマネージャーからも信用を失いましたが、メンタルがある意味とても強いので平気な顔で出勤しており、私たちも知らないふりをしていましたが、その話は次第と有名になり、他の部署にまで有名な話になっておりました。
人間関係が良好であることが大前提
そのあと彼は、接客部門からは外れ他の部署に異動になりましたが、その噂をすでに知っていたその部署の方たちは入る前から彼が来ることを嫌がっており、異動してからも反抗的な態度を取ったりとなかなか彼自身が変わることはありませんでした。
グランドスタッフはなによりも人間関係が良好であることが大前提にスムーズに仕事ができる現場です。
いくら仕事ができても、人間関係がダメに人は人から信用もされませんし、頼りにもされません。
たまにミスをしても、素直に自分のミスを認め、先輩から何かを吸収しようという気持ちのある人はみんなに可愛がられます。
そのAくんよりは先輩でしたが、人から信用されなくなるとこのようになってしまうんだということを勉強できたいい機会でした。