新人時代の恥ずかしい過去。
当時20代前半の初々しい私は、恐怖の訓練を終えて、鬼のOJT教官の恫喝にも耐えて晴れて独り立ちをしたその日。先輩CAから、インタフォンでコールがかかる。
Fさん、今日の着陸アナウンスお願いね!と。
その先輩はアナウンスに定評のある美しいお声の持ち主。
乗務する度に周りのCAがおだてるから本人もまんざらでもなく自ら全アナウンスを担当していたほど。
そして、毎回新人CAと一緒になると自分との実力の差を見せつけるため、そして自分の力を誇示するためにアナウンスをやらせてみる!という話は入社1年後に知った話。
穏やかに初フライトも終わるー!と思いきや、その先輩からのご指示に緊張も高まる。
そして、アナウンスブックを広げて、着陸の合図とともにアナウンスを開始。
「皆様ー、まもなく当機は目的地○○の○○空港に離陸予定です!」っと!
ジャンプシートの隣に座っていた先輩に思いっきり腕を掴まれ、鬼の形相で睨まれる。
離陸じゃない!
着陸だよ!!!!
っと。
慌てて、「あ!ちゃ・・・着陸予定です!!!」と言い換えましたが、大恥。
穴があったら入りたいとはこういうことです・・・。
その後のデブリーフィングと、クルーバス内では先輩方に懇々とお叱りを受け、お経のような説教をずらずら聞かされて、初フライトは撃沈したのでした・・・。”