新人CAと機内での傷病人対応。AEDで心肺蘇生

私がCAとして乗務していた頃、度々機内で体調を悪くされたお客様の対応をする事がありました。

機内のトイレでノロウィルスに感染しているであろう旅客の対応や、いきなり転倒し意識を失われる方、乱気流の影響で怪我をされた方の処置、中にはAEDを使用し緊急着陸した時もありました。

正直なところ、イレギュラーが無く無事に乗務を終え滞在先のホテルでゆっくり過ごしたいのが本音です。しかしいくら忙しいだろうと傷病人発生は毎回突然です。

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通路で倒れたお客様

新千歳空港から羽田空港への最終便、私は機内後方dutyを新人のCAと担当していました。

最終便ということもあり、お客様は皆さまお仕事の疲れかお休みになられてる方ばかりで、私たちCAは積極的にサービスをするより、快適な機内環境作りに徹していました。

離陸して15分弱でシートベルト着用サインが消え、お飲み物サービスを始めた頃、ガタガタと機体が強く揺れ出し、チーフパーサーの判断で一時サービスを中断していました。

私と新人CAはギャレーで飲み物を片付けをしていた時、新人CAが私に通路で倒れている方がいますと伝えてきました。

あまりにも冷静に伝えてきたので私はてっきり足をつまずいて転倒されただけかと思い客室を見てみると、お客様が顔面蒼白で意識不明の状態で仰向けで倒れていました。

AEDを使用して心肺蘇生を行う

様子が明らかにおかしかったので私は新人CAにチーフパーサーにインターホンを使って知らせてと指示したが、その子は震えていました。きっと初めての傷病人対応だったと思います。

私自身、初めてAEDを使った日、今でも鮮明に恐怖を感じていたのを覚えています。

結局私はチーフパーサーに連絡し、素早く倒れているお客様のそばに行き、バイタル確認、周りの旅客から転倒した時の状況を聞き適宜CA同士で役割分担を行い対応していました。結果お客様にAEDを使用し、新千歳空港に引き返すことになりました。

心肺蘇生を行い、無事着陸、お客様は待機していた救急隊に引き継ぎ病院に運ばれました。

無事に乗務終了

この時真冬にもかかわらず、CA達も必死で対応していたこともあり全員汗びっしょりでした。新人CAはというと、お客様が運ばれた後しゃがみ込み泣いていました。

その後もう一度羽田空港に向け離陸し無事に乗務終了。
新人CAには過酷すぎる現場だったかもしれません。しかし、改めてCAという仕事の責任感を感じたと思います。

もちろん対応がスムーズではなかったので、個人的に指導はしました。しかし彼女にはこの経験を次いつくるか分からない傷病人発生の際に生かしてもらいたいと強く思いました。

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