みなさんは外資系航空会社のレップ(REP)という仕事をご存知でしょうか。
多くの外資系航空会社は、基本的なハンドリング業務、例えばチェックインや搭乗ゲート業務、搭載作業等をハンドリング会社と呼ばれるJAL・ANAやその他の会社に委託しています。
とは言え、その会社の社員も必要なので少人数ではありますが日本採用のスタッフを数名置いているんです。そして、意思決定やクレーム処理を始めとした運航業務の責任者としております。
レップの仕事量はすごい
私はこれまで2社のエアラインで働いたことがありますが、想像以上にタフな仕事です。
まずは人数が少ないので仕事量がハンパないです。
今の時代、航空会社もなかなか経営が厳しいので最低限の人数しか雇っておりません。そのためイレギュラーがあれば24時間働き通しなんてことも年に何度があります。
いくら天候が理由だったとしても、目の前にお客様がいらっしゃればある程度は対応しなければなりません。
もちろんハンドリング会社のスタッフもいて、基本的なご説明や対応はしてくださるのですが、それでも収まらない内容だったり、人道上考慮が必要な場合などは私たちレップがお話を伺い何がして差し上げられるか考え、判断しなくてはならないのです。
それと同時に本社とのやりとり、必要に応じてホテルの手配、乗務員の休憩時間・場所の確保、代替便の手配も行う必要がございます。
休憩時間の保証がない!?
いつも感じるのが乗務員には休憩時間の保証があるのに、なぜグランドスタッフやレップなど地上職員にはそれがないのだろう…ということです。
例えば乗務員にはスタンバイ要員がいて、万が一病欠しても支障がないようになっています。
そもそもLCC以外は必要以上の乗務員を乗務させていることが多く、ベースの空港以外で急病人が発生しても問題ないのです。
大手JALやANAは大人数で回しているのでグランドスタッフでもなかなか12時間を越える勤務になることはないでしょうが、外資系航空会社のハンドリングをメインで成り立っている会社は各航空会社のスキルを持ったスタッフが限られていますので長時間労働になることは避けられません。
レップ業務に必要なこと
それでも未だにエアライン業界、グランドスタッフを目指す人は少なくありません。そしてある程度経験を積んで、次のステップとしてレップ業務を目指す人も多くいます。
レップ業務に就くには、だいたい3-5年のグランドスタッフ経験が必要で、その中でもチェックイン、BCLLと言われる到着手荷物業務の専門的な知識やオペレーションという飛行機を飛ばすためのバランス計算や飛行ルートをキャプテンと確認したりする業務経験が必要となります。
また何より多くのクレーム処理や時間が差し迫る中で意思決定を行う必要があるためメンタルの強さを持ち合わせていなければなりません。
私自身レップ業務を経験し始めて日に日に強くなってしまっている気がします。
外資系では特にYES・NOをはっきり伝える必要があったり、安全性に問題があるあればお客様を注意したりすることもあります。
日系に見られるお客様は神様なんてものは捨てなければなりません。
お客様はお客様、もしお客様がハンドリングスタッフに失礼な態度を取れば、そこはきちんとお話にいきます。ハンドリングスタッフを守るのも大事な仕事の一つです。
まとめ
時折強さばかりが出てしまい、ホスピタリティの部分を失しそうになってしまうこともありましたが、初心忘るべからずと常に言い聞かせて邁進するよう心掛けておりました。
責任は重く、大変なことも多い仕事ですが、やはりオンタイムで出せる快感は何にも変えられませんでした。現在では不安定なエアライン業界ですが、この仕事を楽しんでくれる方が一人でも増えると嬉しく思います。