10年以上も前の事ですが、航空管制システムの故障で、各航空会社の出発が大幅に遅延、或いは欠航により、羽田空港が大混乱に陥りました。
お客様であふれかえる空港内
当時、私は羽田空港に勤務しており、当日は丁度航空管制システムが故障する2時間前に出勤し、航空会社のカウンターで搭乗手続き業務を行っていました。
そして2時間後に航空管制システムの故障が発生しました。
故障して間もない時期はマニュアル対応によって航空機を誘導していたようで、空港内の影響は最小限に留まっておりましたが、離発着の多い羽田空港は次第に対応できなくなり、2時間から最大で6時間近く遅れる飛行機が発生し、空港内は利用するお客様であふれかえりました。
当時2階フロアーが搭乗手続きのあるカウンターで1階が到着ロビーと、一部出発ロビーでしたが、いつ出発するか分からない飛行機を待ち続けるお客様がフロアー内や移動する階段に座り込み、足の踏み場もなく、前に進むことが出来なくなる事態になりました。
身動きがとれず大混乱!トイレにも行けない
このような状況で、職員が遅れについて説明するも利用者の耳にはほぼ届かず、カウンター後方まで移動しお客様に説明しようとしても人がひしめき合っており、カウンターのドアを開ける事すらできないほど、全く身動きがとれませんでした。
事務所から応援者を読んでも現場にはたどり着くことができません。
トイレに行きたくてもいけない状況が続きました。
次第に苛立ちを隠せない雰囲気の中、「誰か説明しろ」、「いつ出発するんだ」等、怒りに満ちたお客様の言動が空港中に起こりましたが、情報が少ない現場の職員も納得させる説明ができないまま、いつしか欠航便が増え続けていました。
お客様からの罵声を最も受けた日
諦めて帰宅し始めたお客様は、落胆の表情を隠せず、情けない事に私は横目で見る事しかできませんでした。
そして、フロアーに隙間ができ始め、ようやく欠航の手続きができる状況になりましたが、急ぎのお客様が多く、振替便の優先順位を決定するのに大変苦労し、手続きが終わった時は既に夜の23時過ぎ。その日は空港に泊まって爆睡でした。
この日以上にお客様から罵声を浴びせられた事はありません。
鳥肌が立って震えながら手続きをしたことは一生忘れられない経験です。