アルコール

憧れて入った日系グランドスタッフの入社式。
所属発表でラウンジ配属と発表されました。

そのほかにはチェックイン配属、ゲート配属、外資航空会社配属、国内線配属などがありました。
ファーストクラス、ビジネスクラス、上顧客などのVIPが搭乗前に寛がれるラウンジという空間。

大学までがっつり体育会系で育ってきた私に務まるのかがまず不安になりました。

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ラウンジスタッフが学ぶこと

いよいよ配属別訓練初日、教室のドアを開けて初めの衝撃。
教官の美しさに同期一同茫然でした。

ますます自分はふさわしくないなではないかと不安に駆られたのを今でも鮮明に覚えています。

授業ではまず対象のお客様などの基礎知識や端末操作を学びました。
そして礼儀作法や立ち居振る舞いも。

下げ膳をすることもありますので、お盆とふきんを持ちながら、いかに美しく歩くかの訓練もしました。

みんなで一列になって教室内を何周も歩き、目線の配り方や足音を立てずに歩くにはどうしたら良いかなどひたすら練習したのは良い思い出です。

授業の途中、面白い話があった際に同期の1人が手を叩いて笑っていた際は「これからは笑うときに手を叩いたらダメですよ!」と注意されたのも別世界に来たなぁと感じたエピソードの一つです。

それからお茶の入れ方、出し方、会話の運び方なども学びます。

ラウンジ配属の私たちが学ぶことはグランドスタッフになればみんなが学べるというものではなく、とても特殊でしたが日常生活でも役に立つものばかりで、私にはすごく貴重かつ徳をした気分になる経験でした。

アルコールの作り方とアナウンス訓練

実際に現場に出るようになり、先輩方の見よう見まねで仕事をしていましたが女性らしさの中にグランドスタッフとしての機敏さや的確な対応が備わる一石二鳥以上の仕事だと日々感じられました。

ある程度経験を積むと、アルコールの作り方を学ぶ機会があります。
それもまた面白い経験でした。

一人でバーテンになった気分でお酒を作ってみたり、ノンアルコールのカクテルが作れるようになったので家族に振舞ってみたり。

その次にはアナウンス訓練があります。
ラウンジ内では空港で響くアナウンスとは違い、お休みの方の邪魔にならないように、但し該当のお客様には気づいていただけるようにと声のトーンと強弱を厳しくチェックされます。

何度も録音とチェックを繰り返し合格した者から実戦に移ります。

朝の慌ただしい時間帯は多くの便が一斉に出るのでアナウンスは立て続けになります。
それでも常に冷静に、お休みの方にはBGMのように、という教えに沿ってアナウンスしていました。

大奥と呼ばれるラウンジスタッフ

他の部署からは『大奥』と呼ばれていたラウンジスタッフでしたが、厳しい中に愛があり、毎日楽しく働いていました。

そののち何社も経験しましたが、休みの日さえ働きに行きたいと思えたのはラウンジだけでした。
それだけ最高の先輩後輩に囲まれて日々精進できた現場でした。

今は多くの会社が派遣スタッフを置いていたり、日替わりでアサインされてたりとするようですが、少しでも興味のある方には是非経験していただきたい世界です。

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