飛行機を利用される目的は、旅行や仕事など人それぞれですが、共通して言えるのは万が一欠航してしまった場合、その目的や予定が大きく狂ってしまうということです。
毎日のことであれば、仕方がない…また明日…と比較的思いやすいですが、飛行機が天候不良などで欠航した場合はそうはいかないということです。
そのため、航空会社に全てを保証してほしいと要求するお客様も出たりするなど、グランドスタッフの対応も大変になります。
天候に影響される航空関連会社
航空関連会社は、天候によってお客様の対応が日々左右されます。
例えば、梅雨時期は当然ながら雨の日が多く、強雨になれば飛行機の視界が悪くなります。
また、沖縄線は台風により那覇空港に着陸できない可能性が高まります。
冬季は日本海側や北海道、東北方面が降雪により視界不良あるいは滑走路上の積雪による除雪で滑走が閉鎖になることがあります。
お客様対応が最も大変!
そのような悪天候の中、やむを得ず欠航、出発地空港への引き返し、あるいは代替空港へ着陸する等、対応はその時々で様々です。
そして、その後のお客様対応に大変苦慮します。
出発地空港自体が台風で強風が吹いていればお客様は状況を目の当たりにしている為、比較的スムーズな振替便の対応が出来ますが、目の当たりにしていない到着地が台風で、出発地が晴天ということもあります。
この場合は、グランドスタッフに対して、「ホテルのキャンセル料金は払ってくれるのか?」「現地のタクシーや船の予約した料金は返却してくれるのか?」等、各種ツアー料金に関する補償の話が横行し、お客様の対応に苦慮します。
天候不良は不可抗力扱いで、お客様ご自身でホテルやツアー会社を通してその後の対応を依頼することがルールなのですが、航空会社に全てを保証してほしいの一点張りになることがあります。
お客様の怒りが爆発することも!
もっとエスカレートすると「休みを取って旅行を計画したのに、パーになった。休みの保証はしてくれるのか?」とか「この無駄な時間を返してくれるのか?」と航空会社ではどうにもならないことを主張するお客様もいます。
そうなると収拾がつかない為、お客様の気持ちに寄り添って、ツアー会社に電話してその後の対応を依頼したり、タクシー会社へ電話して天候不良の欠航の為、キャンセル料の免除を依頼したりとあたふたして対応しますが、一人のお客様にかかる時間は30分を超える場合が少なくありません。
たまに怒りが爆発するお客様がおられ、航空券を係員に向かって投げつけたり、殴りかかりそうになる人もいます。
多くの空港には警察があり、警官を呼んで警察署で話を聞くこともあります。
ここに記載した内容は私が経験した事ですが、精神的に強く、タフでないとグランドスタッフは務まらないことを毎回認識させられます。
対応が終わった直後は緊張の糸が途切れ、事務所内でぐったりです。
でも自分がお客様の立場であれば、お客様と同じことを思うかも知れないと思うことがあり、複雑な心境の中、胸が張り裂けそうになります。