私の時代は、客室乗務員やCAというよりもスチュワーデスと呼ばれるのが一般的な時代でした。
同期は皆、大変な訓練を一緒にした仲間なので、とても絆が強く、一緒のフライトの時はそれは楽しかったです。
けれども働いている人たちに女性が多いことも事実で、とにかく派手な人は派手、地味な人は地味という両極端な世界でした。
怖い先輩はびっくりするほど意地悪
フライトで特に思い出すのは、怖い先輩と一緒になることです。
同期の皆も口を揃えて、きっと同じことを言うだろうと確信があります。
長いフライトの時は特に最悪で、気を張り詰めて仕事をこなさなければいけないので、それは大変でした。
食事の用意をしている時は狭い場所で何人もの客室乗務員が忙しく動くわけですが、先輩がわざと取ろうとした食器の前を遮ったり、小さな意地悪が結構多かったです。
終いには、ここから飛び降りたらという先輩もいました。
まったく、びっくりすることばかりでした。
手のつけられない相手はコネがある人
見た目は華やかで、美人でやさしいお姉さんたちの花園のようですが、実際は競い合いの場で、ちょっとした化粧のこと、口紅が濃いとか、ファンデーションのノリが悪いとか、高い時計をしている後輩には特に厳しかった気がします。
そんな中で手のつけられない相手は、会社に何らかの大きなコネがある人が多く、英語が上手くなくても、海外路線に早く変われたような気がします。
自分の主観的な所もありますが、なんであの人が!?と思うことがよくあり、あとで聞いたところによると、すごく強いコネクションがあったようです。
もちろん、実力が伴っている人もいましたが、なぜあの人が?と同期でよく話あったものです。
まさに体育会系の世界
体育会系のように先輩後輩の区別がハッキリしているのがこの世界です。
また、びっくりしたのはカースト制度の強いインド人の客室乗務員同士では、仕事では先輩を立てていますが、プライベートになると、まるっきりそれが逆になります。
たとえば、フライト先の現地のホテルでは、まめまめしく動くのは制度的に下の先輩でした。たとえ夜中であってもお菓子ひとつでも、まるで自分の身の回りの世話人のように買いに行かせていました。
でも、これは国が違えば当然のことのようで、買いに行かされる先輩のインド人も文句ひとつ言わずに後輩のためによく動いていました。こんなことまでするのかと思いつつ、先輩のイジメに耐えられないなんて、たいしたことは無いやと変に勇気付けられたことを覚えています。
最後に…
最後に、やはり若い独身女性ばかりでしたから、独身のパイロットやお客様の中にイケメンがいたりすると、すぐに話題になっていました。
しかしながら、憧れの客室乗務員は全ての人たちが芸能人やスポーツ選手、エリートと結婚するわけではありません。
一般の男性たちと恋をして、怖い先輩もハッピーゴールしていました。
あのすごい状況は若いからできることであって、やはり年を取ると、カートが重く感じられていくでしょうし、結構肉体労働なのです。
それを一緒に仕事した先輩に、今は敬意を表しています。