不規則な生活だからこそ、しっかり睡眠ケアはしておきたい!
そのために前回は、寝室の環境についてご紹介しました。
「CAの睡眠ケア【1】就寝前の寝室環境を整えて快適な眠りへ」
今回は、快適な眠りを得るために、自分自身の体を温める方法についてご紹介します。
お風呂や手浴・足浴によって皮膚表面を温めることで、末梢血管が広がって熱を放出しやすくなります。
寝る前に体を温め、そして寝る直前になったら体温を下げられるように配慮することは、眠りにとって大切なのです。
お風呂は温度と時間に注意しよう
体を温めると言えば、お風呂ですね。
お風呂で体を温めると、快眠効果が高まります。
健康な人なら、睡眠中に体温は1度は上下するものです。
人の身体の内部の体温「深部体温」は眠ると下がっていき、明け方になると今度は上がっていって目が覚めるのです。
つまり、深部体温を下げることで、眠気を強くして深く快適な眠りを得ることができます。
それに有効な方法がお風呂ということですね。
ベッドに入る予定の60~90分前頃にお風呂に入ると、体温が下がるときにベッドに入るので、スムーズに入眠しやすくなります。
ただし、お風呂の温度に注意が必要!!
快眠が得られるお湯の温度は37~40度のぬるま湯。
この温度のお湯に15~30分ほど浸かります。
ぬるめのお湯につかるのが良い理由として、深部体温が上がって血行が良くなるからです。熱いお風呂に入っても、皮膚表面しか温かくならず、すぐに体は冷えてしまいます。
深部体温は上がっただけ大きく下がると言われているので、ぬるま湯に一定時間しっかりつかっておくことで、寝る時に大きく深部体温が下がって眠れるという仕組みなのです。
60~90分前に入浴するというのも、体温が下がるのにそれぐらい時間がかかるからですね。
また他にも、ぬるめのお湯につかった方がいい理由があります。
自律神経のうちの副交感神経の方が優位になり、リラックスするからです。
逆に、熱いお湯につかると交感神経が刺激されて、緊張して神経が高ぶり、目が覚めてしまいます。
手浴・足浴も効果的でおすすめ
お風呂に入れないという時は、手浴と足浴だけでも良いでしょう。
40~42度くらいのお湯を洗面器に入れ、手首から先、または足首から下を10程度お湯につけます。
お湯がぬるくなったら、熱いお湯を注ぎ足しましょう。
お湯の中に、自然塩をひとつかみ入れると保温効果が増します。
しょうがを1個入れても良いですね。
手浴には、安眠効果のほかにひじの痛みを和らげる作用があります。
足浴には、腰痛や膝の痛みを軽減するはたらきがあり、むくみを減らしてくれます。
それぞれ、良い面がありますので、安眠のために自分が一番ストレスなくできる方法を選ぶと良いでしょう。
靴下を履いて寝ない!
冷え性の方は手足が冷たいので、なかなか血管が拡張せずに熱放散がうまくいきません。
そうなると、快適な眠りもできずつらいものです。
そのため、お風呂から出たら冷える前に靴下を履いてそのまま寝るという方も多いのですが、快適な眠りという点で考えるとそれは間違いです。
靴下によって熱放散がうまくできず、かえって寝付きが悪くなったり質の悪い睡眠になってしまいます。
また、足を締め付けることも良くありません。
冷え性の場合は、原因によって対処法も違ってきます。
ただし、血行を良くするためにするべき基本的なことは同じですから、まずはお風呂の入り方から見直してみましょう。
ぬるま湯のお風呂にゆっくりつかる時に、ちょっとそれより冷たいと感じるお湯を手足にかけて、冷やして温めると繰り返してみるのもいい方法です。温度差によって血流が良くなります。
ただし、冷たい水をかけるなど温度差がある場合は、最初はぽかぽか感じるかもしれませんが、体に負担がかかるのでおすすめしません。