質の良い眠りを得るには、寝る前・夜の時間に、体を温めておくことが大切です。
ここまでご紹介してきたように、寝室をあたたかくしたり、布団やお風呂など外部から温めることはできますが、体そのものが冷え切っていたのでは、なかなか眠りは訪れません。
そのため今回は、体の内側から温める方法についてご紹介します。
体を内側から温めるためには、食べ物や飲み物で、体を内側から温めておくと良いでしょう。
体を温める食品と冷やす食品
漢方では、体を温める食べ物のことを「陽性食品」と言います。
体を冷やす食べ物は「陰性食品」と言い、温めもせず冷やしもせずという中間的な食品を「間性食品」と言います。
<陽性食品の例>
陽性食品とは、固いもの・色が赤や黒のもの・寒い季節や地域で採れたもの・塩分が多いものなどです。
- 人参・ゴボウ・カブなどの根菜類
- しょうが・ねぎ・にら・にんにく・胡椒・とうがらし
- 味噌・醤油・自然塩
- 梅干し・漬物
- チーズ
- 蕎麦
- 納豆・黒ごま・黒砂糖・黒豆・小豆
- ハム・ソーセージ・赤身の肉
- 赤身の魚・貝類・小魚・川魚・エビ・紅鮭・明太子・卵
- 紅茶・日本酒・赤ワイン・梅酒・焼酎お湯割り
<陰性食品の例>
陰性食品は葉菜類ややわらかいもの・青や白・緑色のもの・水っぽいもの・暖かい季節や地域で採れたものなどです。
- きゅうり・ナス・セロリ・大根・トマト・アボガド・キャベツ
- わかめ・昆布・もずく
- うどん
- バナナ・パイナップル・すいか・メロン・みかん
- カニ・牡蠣・しじみ・タコ
- お豆腐・白砂糖
- 緑茶・コーヒー・牛乳・コーラ・ジュース
- ビール・ウイスキー
<間性食品の例>
間性食品は、主に黄色いもので、主食になるものが多いです。
- かぼちゃ・さつまいも
- 玄米・黒パン・とうもろこし・大豆
- 黒砂糖・はちみつ
- りんご・イチゴ
- コンニャク
例をご紹介しましたが、陰性の食品でも調理方法によっては陽性に変わることがあります。
体を温めたいからと言って、食生活が陽性食品に偏ってしまうのもあまり良くありません。血液が濃くなって、かえって不眠症になってしまうこともあります。
食生活全般としてはバランスの良い食事を摂り、就寝前に体を冷やしてしまうようなものを摂取しない工夫をしていきましょう。
おすすめは「しょうが湯」
体を温めるという点で万能なのはしょうがです。
冷え性対策としても必須と言える食品ですね。
そして、寝る前に体を温めたいのなら、おすすめはしょうが湯にして飲むことです。
しょうがには、体を温めて、気持ちを落ち着けて、眠りを誘うという性質があります。
<しょうが湯の作り方>
親指大のしょうがをすりおろし、熱湯をかけて黒砂糖やはちみつで味付けをします。
葛湯を加えると、保温効果がプラスされてなお良いです。
簡単ではありますが、それでも面倒という方は、市販されているものを利用するといいでしょう。
お湯にとかすだけですぐに飲むことができます。
スティックタイプの商品なら、どこにでも持ち歩けて便利ですね。
あとは、しょうが紅茶などもおすすめです。
このように、寝る前は体を温められる食品を摂取すると、体が温まって寝る準備ができてきます。
アルコールは控えめに
寝る前にアルコールを飲む習慣がある方は、少なくないかもしれません。
たしかに、適度のアルコールなら、寝つきを良くしてくれるでしょう。
しかし、寝る前にアルコールを摂取してしまうと、眠りが浅くなりやすいです。
トイレのために起きることも多くなって、睡眠全体としては、質が悪くなってしまいがちになります。
就寝前のアルコールが習慣になってしまうと、量がだんだん増えていってしまいます。
できれば、寝る前はアルコールを飲まないほうが無難です。