給料

グランドスタッフ(GS)は、空港で働く地上職の中でも、豊富な知識が必要とされ、幅広い業務をこなしている、最もハードと囁かれる職種であるにも関わらず、年収や給料は、決して高い水準にあると言えません。

コロナの影響で、現在は状況も変化しているでしょうが、私がGSとして働いていた当時のお給料・ボーナス事情をご紹介します。

スポンサーリンク

GSの給料が高い水準ではない理由

グランドスタッフの平均年収および給料が高い水準ではない理由の一つに、グランドスタッフの多くは、航空会社の社員ではなく、航空会社の地上業務を受託する会社(以下、航空会社の関連会社)の社員が圧倒的に多いという事が挙げられます。

航空会社の多くは、グランドスタッフ業務を別の会社へ委託し、人件費を抑えている現状が背景にあります。

その中でも、正社員で航空会社、又は、正社員で航空会社の関連会社に入社した場合は、通常は総合職で採用されるため、グランドスタッフの中でも一番給料が高いというのが常識でした。

そして、航空会社と、航空会社の関連会社の平均年収や月収を比較すると、航空会社の社員の方が当然ながら高いという現状でした。

年齢別平均年収とボーナス事情

当時のグランドスタッフの年齢別平均年収は、20代で200万円程度、月収16万円程度でした。

30代になると、20代に比べると若干は増となりますが、月収23万円程度と、目の前の生活が精一杯であり、将来の生活を考えると今後の生活が想像できずに不安な毎日を過ごしていました。

また、男女格差がないと言えば嘘ですが、低いといえども、男性の方が給料は高く、グランドスタッフ内で給料の話をすることは同期同士以外ではタブーでした。

特にボーナス時期はなおさらタブーです。
何と言っても査定分がボーナスに加味されて、格差が激しくなるからです。

そもそもグランドスタッフの仕事の内容では、格差がつくような評価は難しいと考えられているのが一般的で、それほど差が生まれないはずなのですが、上司による過剰評価によってこのような格差が生まれることは常識の範疇でした。

給料面が不満で退職する人が多かった

毎年のようにグランドスタッフの夢を叶えたく、1000人を超えるような応募者の中から、数十名の採用枠の狭き門で採用され、入社後は、厳しいハードな訓練を乗り越えてようやくひとりで業務が遂行できるようになったころには、給料面に不満をもち、残念ながら退職する職員があとを絶ちませんでした。

私が在籍していた頃は、年功序列で給与バンドが決められていたこともあり、一般的に在籍年数が長くないと給料が上がっていかなかったのです。

どこの企業にもある話かもしれませんが、私の同期も入社から5年以内に8割が退職していきました。

個々に将来設計があるので、何とも言えないもどかしい現実をいつも見せられていましたが、正直悲しいの一言では済まされることではなく、こんな優秀な人材を簡単に退職させてしまう会社はどうかと思っていました。

そしてまた1から新人を採用しては、社員教育をし、短期間で退職を繰り返すのです。

その後、グランドスタッフの給料面は多少なりともベースアップしましたが、それでも業界内では低水準であることに変わりなく、周囲からするとずるいと言われるかもしれませんが、毎年、部署移動願いを出し続けていました。

スポンサーリンク