ノート

前回お伝えしました「空港の新規開港準備グランドスタッフ体験談」の第2弾です。
グランドスタッフで一番苦労した開港準備についてお伝えしていきます。

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※Reisaスタッフより
体験談の投稿には空港名の記載もありましたが、ご本人様のご都合も考えてイニシャルでご紹介させていただきます。

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図面との戦い!?手順書作成に苦労する

開港にあたり、準備するものは幾つかあり、主なものは前回お伝えしてきましたが、その中でも規定類の整備は、直ぐにできるものではなく、何ヶ月も時間がかかります。

S空港の場合は空港自体が工事中であったため、実際のカウンターの大きさや飛行機に搭乗するまでのお客様の導線などは、図面でしか確認することができませんでした。

図面で確認と言っても空港内の距離的な感覚や、カウンターから搭乗口まで移動する間の時間の感覚を全く掴むことができないため、空港が完成してみないことにはハンドリング手順書を完成させることができなかったことを記憶しています。

空港特性を知らなければ、人員の配置の仕方が曖昧になり、何となく個人の感覚でしかハンドリングを行うことができなくなるため、手順書作成には大変苦労しました。

そのような状況の中で、自分の気持ちの中では常に追い込まれている感覚で、焦っても仕方ないのですが、常に気持ちは焦っており、手順書作成をしなければといけないと振り返るたびにパソコンに向かって手順書作成に着手していました。

必要なマニュアルが整ったのは開港の約1週間前

着手したとは言っても、始業時や終業時のPOST業務や備品管理方法などは、どの空港もそれほど変わらないため、最初のうちはこれまでの経験でマニュアル化が可能でした。

しかし半分ほどマニュアルが出来上がると、残すは空港特性にかかる部分となるため、進めたくても進めることができず、パソコンの文字を打つ手が止まってしまいました。

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実際に、空港特性の部分のマニュアル化が開始できた時期は、空港が完成する少し前で、その頃は、訓練などで他空港への出張が重なり…

S空港の施設などを自分の目で確認することが困難であったこともあり、マニュアルの概ねの完成は、開港の約1ヶ月前の国土交通省航空局の監査の直前となってしまいました。

その他にも空港で働くセクションには、グランドスタッフ以外にも保安検査会社・空港ビル会社・航空局などがあり、実際のオペレーションの中で他社の方と連携していく部分があるため、その調整も行わなければならず、開港前までに必要なマニュアルが整ったのは開港の約1週間前でした。

反省点は1人で抱え込んだこと

ここまで時間がかかった他の理由として、マニュアル作成を1人で抱え込んだことも挙げられます。

本来であれば1人で作成するものではなく、得意とする分野を手分けして作業を進めるのですが、経験者が極端に少なかったことや、部下の中にはマニュアル作成の経験者がいなかったこともあり、最初から自分で抱え込むと決めていたのです。

そのことは自分で自分を苦しめたといっても過言ではありません。

のちに気が付いたことですが、もう少し仲間を信じて手分けして作業を進めるべきだったと反省したことを覚えています。

どうして反省するまでに至ったのかその経緯は次の第3弾でお伝えしていきたいと思います。

仕事において仲間を信じることって本当に大切であることを改めて認識させられました。信じることは大事なことですね。

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