私は某国際空港でインフォメーションスタッフとして働いていたOGです。
空港には、様々なお客様がいらっしゃいます。
そのため、忘れられないような思いでもあれば、困ったり怖かったことも多いですね。
約5年間勤務した中で、今回は困ったお客様や対応して困ったり怖い思いをした経験をお話ししたいと思います。
「免税店の商品を買ってこい」とおっしゃるお客様
国際線で出発する旅客しか立ち入れないのが免税店のエリア。
免税価格でおトクに買い物が出来たり、免税店でしか扱っていない商品があったりして一般のお客様からすると魅力的なエリアなのかもしれません。
ある日、お見送りの邦人女性から、お金は支払うから特定のクッキーを買って来て欲しいと頼まれました。そのお客様は、職員なら簡単に免税店のエリアに出入りできるだろうと考えていらっしゃいました。
確かに、業務上IDカードをかざして出国後のエリアに出入りはしますが、私たち職員も体や荷物のセキュリティチェックを受けるほか、税関を通過します。逆に、免税店のエリアから皆さんが立ち入れるエリアに戻ろうとする際も税関を通ります。
もし、お客様に頼まれた通り購入したお土産を持って戻ろうとすると、私は密輸に関与することになり、税関で取り押さえられること間違いナシです。
その旨を説明したところ、お客様は諦めて下さりました。
最近では国際線の到着動線にも免税店がある空港がありますが、そちらも出迎えのお客様はご利用できません。
免税店のエリアは、普段生活している環境とは大きく異なります。
その点は旅行をされないお客様にも認識して頂きたいです。
恋人つなぎをしてくる視覚障害者を装ったお客様
カウンターで接客していた際に、航空会社のグランドスタッフから、ある男性の対応を引き継いで欲しいと言われました。
その男性は白杖を持っており、一見すると目の不自由な方の様でした。
リムジンバス乗り場まで向かいたいとの要望だったので、私はカウンターを他のスタッフに任せて、手引きのお手伝いをすることにしました。
通常、お手伝いをする際にはお客様に私の肩をもってもらい先導するのですが、その男性は肩に手を乗せるのを嫌がり、私の手の下から無理矢理恋人つなぎをされました。
その時点で変に思ったのですが、その後でもっとゾッとする展開が待っていたんです!
お昼休憩の際に、居ても立っても居られず、後輩に先ほどの対応について話しました。すると、「あのオレンジ色の靴を履いた人ですか?」と後輩が尋ねたので何となく嫌な予感がしました。
私はお手伝いの際に前方の確認に気を取られて、靴の色は覚えていませんでしたが、“オレンジ色の靴を履いた人”に何で心当たりがあるかを聞いたところ、白杖を持っていたのにスタスタ歩いていたのが不思議だったと教えてくれました。
視覚障害者を装ったお客様がまたやって来た!
休憩後、私は別のカウンターで仕事をしていました。
すると、先ほどバス停まで案内したはずの男性が私の目の前に来て、今度は駅の場所を尋ねてきました。
恋人つなぎを仕掛けてきたこと、バスで帰宅する様に見せかけて帰宅していなかったこと、後輩の証言が頭の中で次々と線で結ばれていきました。
私が駅の場所を伝えたところ、その男性は何事もなかったかのように駅の方へ歩いて行かれました。
やっぱり確信犯だったのかと思うと悔しくてなりませんでしたし、握られた手の皮を剥ぎたいくらいでした。
空港で働く従業員がほとんど女性だという点を悪用した今回の様な行為は本当にやめて欲しいです。