グランドスタッフ採用面接の裏側

今回から4回に分けて、グランドスタッフの採用面接の裏側をご紹介していきます。

複数の会社で審査する側だった自分が実際に体験したことをまとめます。
私が20代の若造の頃で結構前の話になってしまいますが、ぜひ参考にしてください!

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応募者殺到!狭き門のGS採用枠

毎年のように新卒や既卒の応募がなされるグランドスタッフ。
会社によって違いますが、1回の応募で応募者数が1000人を超えることがありました。

私が経験してきた採用面接の中で、1000人超えは1回のみでした。
少ない時でも200人程度の応募はありました。

当時はLCCが就航していない時代でしたので、既存の航空会社のハンドリングを行っているJAL系とANA系に絶大な人気がありました。

応募をかける時は、時期にもよりますが、1年のうちで4月入社の採用枠が多く、次いで10月入社の枠がそれなりに用意されていました。

とはいってもグランドスタッフの1部門あたり100人単位で採用することはなく、多くても50名程度でした。
少ないときは5名程度の採用枠です。

その少ない枠に200名以上の応募が殺到するわけですから、狭き門であることはご理解いただけるのではないかと思います。

写真判断で5秒程度の速さで合否が決まる!

当時のグランドスタッフの採用の流れは、1次は書類審査、2次が筆記試験と面接3次が役員面接、必要に応じて4次、役員面接という流れでした。
会社によっても若干違いはありますが、概ねこの流れが主流でした。

まず1次の書類審査ですが、内容や誤字脱字をチェックする前に、必ず履歴書の写真を見て、容姿端麗であることを確認します。
特に女性スタッフの採用の場合は、厳しく見られます。

航空業界にふさわしい清潔感があり、話しやすい感じで、一般的に綺麗と言われるような印象の方をピックアップします。

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私が担当していた書類審査では、写真判断で5秒程度の速さで合否が決まります。
たったの5秒です。

目の前の履歴書を完成させるのにどれだけ緊張してどれだけ丁寧に書いたのか、その方の気持ちを汲まずに、心を鬼にして履歴書を振り分けます。

この振り分けは心が痛くて嫌でしたし、初めて振り分けをおこなった時は、自分もこんなふうに振り分けされていたのかなと思うと、残念な気持ちでならなかったことを覚えています。

写真の振り分けで約半数の方が不合格となります。
ここで不合格となった場合は、履歴書を再度見直すことはありませんでした。
厳しい世界です。

会社によって履歴書の見方が違う!

次に、会社の採用希望によって履歴書の中身の見方が変わりました。

書類審査で多かったのは、英語が堪能な方を主軸とする採用でした。
特に某会社は帰国子女の採用を主としていました。

英語の保有資格とTOEICの点数は高ければ高いほど採用されやすいという事実があり、そして帰国子女も。
そのような方は誤字や脱字は当然のことながら全くなく、隅から隅まで拝見する必要がないのです。

英語を学ぶために留学する姿勢からも志が高く、書類は完璧が当たり前なのです。
勿論入社してからも期待は裏切りませんでしたし。

また、別の会社の書類審査では、ちょっと一風変わった見方をしていた会社がありまして、人間性が垣間見れる履歴書を書いた方を1次通過させていました。

要するにありきたりな真面目な志望動機が書かれている内容の履歴書は不採用としていました。
言ってみれば、この方に一度お会いしたいと思わせる血眼になって訴えかけている志望動機でなければ採用に至ることはないということです。

こんな背景から、私の経験上、1次の書類審査は9割が運だと思っています。

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