以前、私が勤務していた会社の地上職のスタッフ全員は、自己啓発で個々のスキルアップを図る事を目的としたプロセスシートを作成して、最終的に目標達成を目指していました。
本来であれば、自発的に行うものですが、会社の人事考課の一環であった為、とても自発的なものとは言えるものではありませんでした。
私は内心で面倒だと思っていました。
会社での人事考課の評価をあげるための自己啓発
自己啓発の具体的な例としては、英語能力向上を目的として、最終的にTOEIC750点を達成する目標を掲げ、達成する為に、毎週英語教室に通う事と、毎日数時間独学で勉強を実施する等、何をして目標を達成するのかシートに記載して、上司に提出するのです。
航空業界の地上職は、チーム単位での業務遂行が主である為、個人の業務成果が見えにくく、自己啓発が人事考課の一部として評価の対象となっていました。
目標は各自様々ですが、業務に還元できる自己啓発は評価が高い傾向にあり、意識の高い職員は、業務に還元できる、語学教室に通ったり、プレゼンテーション講座を受講し、意識がそれほど高くない職員は、趣味に繋がるような自己啓発を行っていました。
語学力が伸びずにプレゼンテーション講座へ
私は通信講座をメインとして、英語と韓国語を中心に語学力アップを目指しました。
最初のうちはTOEICであったり、ハングル語検定の点数を伸ばすことが容易に出来ましたが、何年か経過すると点数が伸びなくなり、次第に語学の自己啓発を辞めてしまい、プレゼンテーション講座を受講することにしました。
実は英語がそうでしたが、点数を伸ばしたとしても、実際に本当に業務へ還元する為には、英語でコミュニケーションが図れないと、何にも意味がないのです。
それでも会社は点数だけを見て評価をする訳なのですが。
結局は、評価を上げる為だけに行っている事に後で気が付き、勉強した割に、さほど身に付いていないコミュニケーション力にがっかりした事を覚えています。
業務に還元できるのかを考えてみることは大切
その反面プレゼンテーションは講座でインストラクターの真似をして、次第に自分のものにしていく為、仕事において、プレゼンが出来るようになった事を実感でき、業務に還元できているような気がしていました。
でもプレゼンが出来たとしても生産性が高まっている訳ではなく、結局は、業務に還元している自己啓発は何もしていなかった事に気が付きます。
気が付いた時には、何だか恥ずかしい思いが込み上げてきて、一体今まで何をしてきたのか、疑問ばかりが頭を巡りにめぐって、自分が嫌になった事を覚えています。
航空会社に限らず、会社の指示で自己啓発やスキルアップをするような体制になっている会社もあるでしょう。評価をあげるために・言われたからやっている…という状況では、私のように後から業務に役立てられないということになるかもしれません。
自分に何が必要なのか・仕事に活かすためにどんなことが大切なのかをよく考えて行動することが大切ですね。